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更新日:2019年1月1日

大村市議会

米軍普天間飛行場の大村航空基地への移設に反対する意見書(平成22年3月)

米軍普天間飛行場の移設先問題が混沌とする中、去る3月8日、同飛行場の移設先を協議する政府・与党の沖縄基地問題検討委員会が開かれ、社会民主党、国民新党の両党が、本市に所在する海上自衛隊大村航空基地を移設候補地とする移設案を提示し、政府は今後この両党案を踏まえ、3月中の政府案取りまとめに向けた検討作業を本格化させるとの報道がなされた。

同基地が移設候補地として急浮上して以来、市民からは移設による住環境への影響や治安の悪化を懸念する声が相次ぎ、地域には不安や戸惑いが広がっているところである。このような状況下でこの両党案を踏まえた政府案の取りまとめがなされると報じられたことで、市民は、不安と危機感を一段と募らせ、移設反対の動きが強まっている現状である。

特に本市では、現在同基地が使用し、同飛行場が同基地へ移設された後も使用すると予想される長崎空港A滑走路周辺における航空機の騒音問題が50年の長きにわたって未解決のままであり、この問題の早期解決のために、周辺地域の住民と市が一体となって騒音対策協議会を組織し、20年余にわたり国に対して粘り強い要望活動を繰り返し、その結果、ようやく解決の兆しが見えてきたと喜んでいたところである。

その矢先、同基地が移設候補地として挙がったことに周辺地域の住民は動揺を隠せず、また、憤りをあらわにしており、周辺町内会においては、移設について絶対反対の決議もなされているところである。

また、本市は昭和27年の保安隊創設以来、57年の長きにわたり自衛隊3部隊を有し、その間、自衛隊と市民との良好な関係を築き上げ、国防に関しこれまでも一定の役割を担い、相応の負担を強いられてきた。

確かに、米軍基地の問題については、その大部分を沖縄県のみに依存してきた過去に対する沖縄県民の怒りは充分理解するものであり、国全体の問題として考える時期にきたと認識するものである。

しかしながら、安全で安心して暮らすことができる地域社会の実現は、市民の負託を受けた我々市議会の重大な責務であり、同基地への移設については、市民生活に重大な影響を及ぼすもので到底容認することはできない。

よって、本市議会は、市民の平穏な生活環境を守る立場から、米軍普天間飛行場の大村航空基地への移設に断固反対するものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年3月12日

長崎県大村市議会

衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣 殿

外務大臣

防衛大臣

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