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更新日:2019年1月1日

大村市議会

割賦販売法の抜本改正に関する意見書(平成19年12月)

クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性により消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結びつく高額かつ深刻な被害を引き起こす危険な道具にもなるものである。

現在、クレジット会社の与信審査の甘さから、年金暮らしの高齢者に対し、支払能力を超える大量のリフォーム工事、呉服等の次々販売が繰り返されたり、年齢・性別を問わず、クレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法その他の詐欺的商法の被害が絶えないところである。このようなクレジット被害は、クレジット契約を利用するがゆえに悪質な販売行為を誘発しがちとなるクレジット契約の構造的危険性から生じている病理現象であると言える。

経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、このように深刻なクレジット被害を防止するため、平成19年11月29日、クレジット被害の防止と適正取引化に向けて割賦販売法の改正等についての報告書を取りまとめ、法改正の方向性が示されたところであるが、今回の改正においては、消費者に対し、安心・安全なクレジット契約が提供されるために、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要である。

よって、大村市議会は、国会及び政府に対し、割賦販売法改正に当たっては次の事項を実現するよう強く要請する。

1 過剰与信規制の具体化

クレジット会社が、顧客の支払能力を超えるクレジット契約を提供しないように、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。

2 不適正与信防止義務と既払金返還責任

クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を提供しないように、加盟店を調査する義務だけでなく、販売契約が無効・取消・解除であるときは、既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。

3 割賦払い要件と政令指定商品制の廃止

1~2回払いのクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則としてすべてのクレジット契約を適用対象とすること。

4 登録制の導入

個品方式のクレジット事業者(契約書型クレジット)について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年12月20日

長崎県大村市議会

衆議院議長

参議院議長 殿

内閣総理大臣

経済産業大臣

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