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更新日:2019年1月1日

大村市議会

350万人のウイルス性肝炎患者の救済に関する意見書(平成23年12月)

わが国にはB型・C型肝炎感染者・患者が350万人もおり、その大半は血液製剤の投与、輸血、集団予防接種における針・筒の使い回しなどの医療行為による感染で、国の責任による医原病とされる。ウイルス性肝炎は慢性肝炎から高い確率で肝硬変・肝臓がんに進行し、命が危険となる重大な病気である。肝炎患者の大半はインターフェロン治療の助成以外は何の救済策もないまま、病気の進行、高い治療費負担、生活困難にあえぎ、毎日120人ほどの患者が命を奪われている。感染に気付かず、治療しないまま肝炎が進行している人も少なくない。

肝炎患者のうち、フィブリノゲンなど特定血液製剤を投与して感染したことが、カルテなどで証明できた薬害C型肝炎被害者にのみ、裁判手続きを経て国が給付金を支払う、「薬害肝炎救済特別措置法(以下「救済特措法」)」が平成20年1月に制定された。

しかし、C型肝炎患者の多くは、感染してから長い年月を経て発症するので、気付いた時にはカルテの保存義務の5年が過ぎており、ほとんどの患者はカルテ等による血液製剤投与の証明が難しく、救済特措法による対象から除外されている。救済特措法制定の際の衆参両議院の付帯決議にあるように、1.手術記録、母子手帳等の書面、2.医師等の投与事実の証明、3.本人・家族等による証言によって、特定血液製剤による感染の可能性のある患者は薬害肝炎被害者として認め、救済特措法を適用し広く救済する枠組みにしなければ救済されない。

また、集団予防接種の際の注射器の連続使用によってB型肝炎感染被害では、最高裁での国の責任の確定判決をもとに和解が進められているが、大半は母親がB型肝炎ではないことの証明ができず、集団予防接種の裁判で救済される患者はごく少数に限られる。

注射針や輸血が原因のC型肝炎患者、集団予防接種の証明ができないB型肝炎患者は裁判の救済の対象外とされ、同じ被害に苦しむB型・C型肝炎患者の9割以上には、何ら救済策が講じられていない。

以上のようなB型・C型肝炎感染の経緯、実態を踏まえて、国内最大の感染症被害をもたらしたことに対する国の責任が明記され、肝炎患者の救済、肝炎対策を国、地方公共団体の責務と定めた肝炎対策基本法が、平成21年11月に制定された。患者救済の根拠となる基本法はできたが、国の肝炎対策基本指針、必要な個別法の制定、予算措置がなければ、患者の救済は進まない。

よって、国会及び政府におかれては、これらの患者を救済するため、下記の事項ついて速やかに必要な措置を行うよう強く要望する。

  1. 肝炎対策基本法をもとに、患者救済に必要な法整備、予算化を進め、全患者の救済策を実行すること。
  2. 救済特措法による救済の枠組みを広げ、カルテ以外の記録、医師らの証明、患者・遺族の記憶・証言などをもとに特定血液製剤使用可能性のある薬害C型肝炎患者を救済すること。救済特措法の期限延長を図ること。
  3. 集団予防接種が原因とされるB型肝炎患者の救済策を講じること。
  4. 肝庇護薬、検査費用、通院費への助成をはじめ、肝炎治療費への支援、生活保障を行うこと。肝炎対策基本法が定めた肝硬変・肝がん患者への支援策を進めること。
  5. ウイルス性肝炎の治療体制・治療環境の整備、治療薬・治療法の開発促進、治験の迅速化などを図ること。
  6. 医原病であるウイルス性肝炎患者に一時金もしくは健康管理手当などを支給する法制度を確立すること。
  7. 肝炎ウイルスの未検査者、ウイルス陽性者の未治療者の実態を調査し、早期発見・早期治療につなげる施策を講じるとともに、ウイルス性肝炎への偏見差別の解消、薬害の根絶を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成23年12月21日

長崎県大村市議会

衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣

総務大臣 殿

法務大臣

財務大臣

厚生労働大臣

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