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更新日:2023年2月24日

令和5年度施政方針説明

本定例市議会に当たり、令和5年度の施政に関する方針についてご説明いたします。

令和元年10月に市民の皆さまの負託を受け、2期目となる市政の重責を担うことになってから、3年半の歳月が経過いたしました。この間猛威を振るってきた新型コロナウイルス感染症については、これまで最前線の現場で対応されてきた医療・介護・福祉・教育・保育関連施設などの従事者の皆さまを始め、市や県、国が行う様々な対応策にご理解・ご協力いただいた市民・事業者の皆さまに深く感謝申し上げます。

特に経済対策につきましては、原油高や資材価格高騰対策とあわせて、本市においては、これまで国や県の支援策に加え、市独自の支援策として多業種にわたる支援を、市議会のご理解とご協力のもと、他の自治体に先駆けて進めることができたと考えております。

さて、国においては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やGX(グリーン・トランスフォーメーション)を推進し、産業・経済構造の変革を促進しており、長崎県においては、長崎駅周辺の開発やIRの誘致など、100年に一度の変革の時期にあります。

本市においても、昨年は市制施行80周年という節目の年に、念願であった「西九州新幹線の開業」を始め、「新大村駅及び大村車両基地駅の開設」、「池田沖田線(サンシャインロード)の開通」、「沖田踊・黒丸踊のユネスコ無形文化遺産登録」など、様々な変革がありました。また、「ボートレース大村」においては、発祥の地として開設70周年を迎え、昨年12月にはSGレースの最高峰である「グランプリ(賞金王決定戦)」を開催し、目標を上回る売り上げを達成いたしました。

本年は、「新大村駅前の開発」や、建設地が決定いたしました「新庁舎の建設及び新庁舎周辺の整備」、「現庁舎跡地の活用検討」など、将来を見据えた本市のまちづくりに着手しはじめる「始まりの年」となります。

変革の真っただ中にある長崎県の中央に位置するという地理的特性に加え、国内でも有数の高速交通要衝の地としての優位性を誇り、さらには県内で最も高齢化率が低く、唯一人口が増加し続けている本市だからこそ、「100年に一度の変革の時期にある長崎県の新たな歩みは、大村市から始まっていく。そのまちづくりをここからまた新しく始めていく。」という気概をもって、令和5年度を始めていきたいと思います。市議会並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りながら、10年、20年、さらにその先を視野に入れたまちづくりに取り組み、本市の更なる発展に結び付く施策を推進してまいります。

それでは、第5次大村市総合計画の基本目標ごとに、令和5年度に取り組む主な事業についてご説明いたします。

1.人を育むまち

国においては、様々な困難を抱えるこどもや家庭に対する年齢や制度の壁を克服した切れ目のない包括的支援を目指し、本年4月からこども家庭庁が設置されます。

本市においては、誰一人取り残すことなく健やかな成長を保障するため、母子保健分野と児童福祉分野の一体的な支援を行い、妊娠期から子育て期までの包括的な切れ目のない支援を更に充実させます。

多胎児妊娠の妊婦健康診査にかかる助成回数の拡大や、新たに産後健診の健診費の助成を行うなど、妊娠出産にかかる経済的負担を軽減させるとともに、支援が必要な妊産婦の早期発見と支援につなげます。

待機児童については、年度当初の時点では発生していませんが、年間を通した待機児童の解消が課題になっています。

このため、令和5年度から保育士等就職祝金の増額や対象の拡大を行い、あわせて保育士の離職防止のための保育士等継続応援金を創設し、働きやすい環境を整備するなど、更なる保育士確保を進めます。

本年4月から、教育・保育施設を支援するため、大村市立放虎原こども園内に、新たに「大村市幼児教育・保育支援センター」を設置します。センターでは、教育・保育施設の巡回訪問等を通して、要配慮児の保育等に関する助言や保育現場の課題に応じた研修・研究等を実施し、市内全体の教育・保育の質を向上させます。

発達障害等の障がい児への対応については、教育・保育施設において、障がい児の受入れを促進するために人件費の補助を行っています。令和5年度からは、障がい児に対する保育士等の配置基準を引き上げるとともに、補助基準額についても見直し、障がい児一人ひとりに対する保育体制を充実させます。

昨年、公益財団法人日本財団とヤングケアラーについての協定を締結しました。ヤングケアラーを早期に発見し、支援につなげるモデルの構築など、更なる支援体制の整備に取り組みます。

全ての子どもと地域の未来をはぐくみ、ささえ、つなぐ「教育のまち大村」を目指し、「学校規模の適正化」、「中学校統一型制服の導入」、「自信をもたせる学習評価の実施」の3つのプロジェクトを柱とした、「ミライへつなぐ学校教育プロジェクト」を引き続き推進します。

また、年々増加している配慮を要する児童生徒への支援を充実させるため、教員補助員を増員し、一人ひとりに寄り添ったきめ細かな支援を実現するなど、子どもたちが安心して学校生活を送れる教育環境づくりを行います。

現在、中学生までとなっている子ども医療費助成の対象を、本年4月から高校生世代まで拡大します。また、未就学児について行っている子ども医療費の現物給付方式を、本年10月から中学生までに拡大し、子育て世代の経済的負担を軽減するとともに利便性の向上を図ります。

奨学金については、令和4年度から、給付型奨学金の対象範囲を学業だけではなく、スポーツ、文化芸術分野まで広げ、更に海外留学まで拡充しました。令和5年度は、貸与型奨学金のうち、主に高等学校に進学又は在学されている方について、制度を拡充し、有用な人材の育成を強化します。

老朽化が進んでいる小・中学校の校舎及び体育館について、「大村市学校施設長寿命化計画」に基づき、福重小学校校舎及び西大村中学校体育館の建替工事、放虎原小学校校舎及び体育館の長寿命化改良工事、鈴田小学校校舎の大規模改造工事及び郡中学校武道場の大規模改修工事に着手します。また、三城小学校校舎の建替え、旭が丘小学校校舎及び体育館の長寿命化改良工事及び玖島中学校校舎の大規模改造工事に係る設計業務等にも着手します。

市内小中学校において、学校情報通信ネットワークの通信環境を改善し、ICT教育を充実させます。また、中央公民館等の公立公民館においても、市民の利便性向上に資するよう、Wi-Fi環境を整備します。

ミライonは、昨年5月に来館者100万人を突破しました。今後も、市民・県民の「知の拠点」として、資料の保存・整備、レファレンスサービスの向上、貸出・返却の利便性の向上など、図書館機能の強化を図ります。また、歴史資料館では、深澤儀太夫の捕鯨を始め、主に江戸時代からの大村湾の海の恵みや、これに関わる人々などを紹介する特別展や講演会などを開催し、大村の歴史について伝えていきます。

音楽があふれるまちづくりを推進するため、引き続き、長崎OMURA室内合奏団によるコンサートや、「OMURAブラスPOPS&JAZZコンサート」などを開催し、市民が音楽に親しみ、参加できる機会を提供します。

令和7年度には、長崎県において「第40回国民文化祭、第25回全国障がい者芸術・文化祭」が開催されます。本市における文化資源の魅力向上や情報発信を行うとともに、国、県及び関係団体と連携し、開催に向けた準備を進めていきます。

2.健康でいきいきと暮らせるまち

健康寿命の延伸のため、令和5年度に「第2次健康おおむら21計画」などの見直しを行い、市民の皆さまの希望や生きがいのある生活の実現を目指します。特定健診受診率については、全国平均と比べ低い状況となっているため、受診率向上に向けて、若年者健診も含め、更に多くの人に受診していただけるよう、1年に一度の健診の大切さを発信し、生活習慣病の早期発見・早期治療につなげます。

「食に感謝、みんなでいただく大村のめぐみ!」を基本理念とした、「第4次大村市食育推進計画」に基づき、農林漁業体験の充実や、食に関する情報提供などを通して、食に関する感謝の心をはぐくみ、生涯にわたって心身ともに健康な生活を送れるよう、関係機関等と連携し食育を推進します。

誰もが住み慣れた地域で安心して過ごすことができるよう、「大村市版人生ノート」を活用し、元気な時からこれからの人生について考える機会やACP(人生会議)の普及啓発を行います。

認知症の正しい知識と理解を深め、認知症の人やその家族を温かく見守り支援する「認知症サポーター」については、昨年10月に目標の累計1万人を達成しました。今後も幅広い年代の方を対象に養成講座を実施していきます。

また、成年後見制度に横断的に対応する専門窓口を新たに設置し、市民後見人の育成などを行い、認知症等により判断能力が低下しても安心して住み慣れた地域で生活できるよう、成年後見制度の利用を促進します。

ICTを活用した遠隔手話通訳サービスや視覚情報提供サービス等の在り方について、利用者等のご意見や視点を踏まえながら、より効果的かつ効率的な運用となるよう導入を進めます。

障がい者の就労支援による雇用機会の拡大を図るため、東京大学先端科学技術研究センターと連携し、地域や企業、大学などとともに、インクルーシブな働き方を推奨する「超短時間雇用モデル」の構築に向けて取り組みます。また、重度障がい者の外出を支援する「おでかけサポート事業」において、近年の社会情勢を踏まえ、適正な助成額に引き上げ、障がい者の社会参加を促進します。

本市の自殺者数については、減少傾向にありますが、更なる相談対応や普及啓発に取り組むため、令和5年度に「大村市自殺対策計画」の見直しを行い、人や地域がつながり、生きる力を支える大村市を目指します。

陸上競技場については、全天候型トラックへの整備を含め、公認陸上競技場の認定取得に向けた改修を行うため、基本設計に着手します。

大村市総合運動公園については、本年3月に多目的広場4面が完成し、第41回全国高等学校男子ソフトボール選抜大会が開催されます。引き続き、ナイター照明などの施設整備を進め、市民の健康増進やスポーツ大会の開催、合宿の誘致、スポーツを通じた県内外との交流や関係人口の拡大などを促進し、市民の健康寿命の延伸や地域の活性化につなげます。

北部九州4県を主会場とする北部九州インターハイ(全国高等学校総合体育大会)が令和6年7月から8月にかけて開催され、本市は男子・女子卓球競技及び男子・女子ソフトボール競技の開催地となっています。また、令和7年度には、全国中学校体育大会が九州各県で開催され、本市においてもバレーボール競技が実施される予定です。これらの大会の成功に向け、県や大会実行委員会と連携しながら、準備を進めていきます。

3.安全・安心なまち

近年、激甚化・頻発化する自然災害から、市民の生命・身体・財産を守るため、引き続き、消防団や消防署、自衛隊等の関係機関と連携し、災害に強い、安全・安心なまちづくりに向けた取組を進めます。

消防団員の確保については、厳しい状況が続いていますが、団員が活動しやすい環境を整えるとともに、各種イベント等において消防団のPR活動を行うなど、消防団への加入を促進します。また、団員の技術向上を図るため、新たに消防ポンプ操法等の訓練場を整備します。

郡川流域の浸水想定区域内において、洪水などで浸水した際の地面から水面までの高さを示す、浸水深の表示板を設置します。また、今後想定される水害リスクに備え、関係者・団体と協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策を推進します。

令和2年7月豪雨で被災した河川や農地・農業用施設などについては、国や県との調整を行いつつ、できるだけ早い復旧に向けて、引き続き工事に取り組んでいきます。また、現在も通行止めが続いている市道似田ノ尾北ノ川内線については、令和4年度に国による落石防止対策工事が完了したことから、今後、破損したガードレールや側溝の修繕及び法面保護等を実施し、早期に通行できるように取り組みます。

市内において、ニセ電話詐欺や小・中学生に対する声かけ事案、自転車の盗難などが発生していることから、関係機関・団体と連携しながら、防災ラジオやSNSなどの各種媒体を活用した市民の安全・安心のための情報発信などを行います。

安全な自転車活用を推進し、市民の健康増進や環境負荷低減などを図るため、「大村市自転車活用推進計画」に基づき、引き続き、市内21路線の自転車ネットワークのうち14路線について、自転車の通行位置と方向を明示する青色の矢羽根マークなどの路面標示を行うなど、警察等の関係機関と連携しながら、安全で快適な自転車空間の整備を進めます。

登下校時の児童生徒の安全を確保するため、引き続き、市道路側帯のカラー舗装化や通学路のガードパイプ設置、区画線の復旧や新設を行います。

4.活力に満ちた産業のまち

本年2月に新工業団地「第2大村ハイテクパーク」区画3への立地協定を締結しました。残り1区画への企業誘致について、引き続き、国や県などと十分に連携しながら、取り組んでいきます。

大村市産業支援センターの運営については、本年4月から大村商工会議所に委託し、これまでの取組に加え、金融機関を始めとする各支援機関とのネットワークを強化することで、相談者の売上向上につなげます。

人手不足や省力化への対応と生産性の向上のため、DX化に取り組む市内中小企業等に対する支援を行い、経営基盤を強化します。

本市の豊かな自然を活用し、グリーンツーリズムなどの体験型観光を継続して推進します。また、長崎空港や新大村駅を起点とした、大村の歴史や文化を活用した「新しいストーリー」をスマートフォンアプリなどで提供し、魅力ある観光地の創出につなげます。

ふるさと納税については、市外・県外の方々への情報発信を強化するとともに、魅力ある返礼品を開発するため、令和5年度に業務を包括的に民間委託します。また、本市を訪れた人に大村の特産品の魅力を発信するため、ふるさとづくり寄附ができる自動販売機やタブレットを新大村駅観光案内所等に設置するとともに、新たにNFT(非代替性トークン)を返礼品に加え、寄附金の更なる収入増に努めます。

将来の農業において、人と農地の問題を一体的に解決するための「人・農地プラン」が法定化されたことに伴い、令和5年度から6年度にかけて、概ね10年後の目指すべき農地利用の姿を明確化する「地域計画」などの策定に取り組みます。

さらに、認定農業者や新規就農者、農業者が組織する団体などに対し、いちごやきゅうりなどの主要な農産物の多収量化や労力軽減につながる環境制御機器の導入や農産物の高品質化、新規品目や有機野菜等の栽培にかかる支援を継続するとともに、農地集積に取り組む認定農業者には更に支援を厚くし、農業所得の向上を目指します。

昨年10月に開催された第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会において、市内生産者が育てた肉用牛が県代表牛のうちの1頭として出品され、長崎和牛の産地としての本市の知名度向上につなげることができました。次回、令和9年に北海道で開催予定である第13回全国和牛能力共進会において、「大村生まれ・大村育ち」の長崎和牛を出品し、更なる知名度向上につなげるよう、肉用牛生産者の飼育技術の向上に向けた支援を継続するとともに、優良な素畜の導入支援等に取り組みます。

また、鳥インフルエンザなどの防疫対策を支援し、安全・安心な畜産物の安定生産を図ります。

森林の適切な管理・活用を促進するため、森林環境譲与税を活用し、森林所有者への意向調査や森林の整備、森林施業のための人材育成を継続するとともに、木材利用の促進や森林の持つ公益的機能の普及啓発などに取り組みます。

また、企業と連携し、老朽化が進んでいる「すわの森」の再整備を行い、森林レクレーション活動の場としての機能の再生に取り組むとともに、森林空間の活用や木材の利用を通じて、大村の森の力を活用したSDGs達成への貢献に努めます。

市民にも定着してきている「浜んこらあさいち」の開催に対する支援や「地元水産物活用推進協議会」が取り組む小中学校給食用の食材提供に対する支援を行い、漁業経営基盤を強化するとともに、大村の水産物の魅力を発信し、市内水産物の地産地消及び販路拡大を推進します。

資源管理型漁業を推進するため、引き続き市内の漁業協同組合が取り組む稚ナマコなどの種苗放流やイカシバの設置に対する支援を行います。また、漁業者の就業意欲と安全な就労環境を創出するため、新たな漁港施設整備計画の策定に取り組みます。

5.機能的で環境と調和したまち

 

昨年9月23日に待望の西九州新幹線が開業しました。今後、新大村駅周辺地区を新たなまちづくりの拠点と位置付け、新たな公共交通拠点として利用者の利便性を向上させるとともに、観光やビジネスなど多様な交流を促進していきます。

新大村駅前市有地開発事業については、令和7年春までの全区画完成に向けて、プロポーザル審査委員会からの附帯意見や市議会からの意見などを踏まえ、民間開発を促進するとともに、商業施設やマンションと一体となったくつろぎと賑わいのある公園整備を進めていきます。

また、新鳥栖~武雄温泉間のフル規格化を促進し、関西・中国圏との交流人口を拡大させ、新幹線の開業効果をさらに高めるため、官民が一体となった新たな協議会を設立し、九州新幹線西九州ルートの全線フル規格を実現させます。

国道34号の整備については、与崎から諫早市本野までの大村諫早拡幅の道路設計や用地測量が実施されるなど、着実に事業が進められています。また、空港南口交差点から水主町交差点までの大村拡幅の残り480mについても、橋梁工事など早期完成に向け着々と整備が進められています。

慢性的な交通渋滞が発生している「桜馬場交差点」、「池田2丁目交差点」、及び「空港北口交差点(松原本町)」については、国・県などの関係機関とともに、引き続き、交通渋滞解消へ向けて取り組んでいきます。

長崎県の構想路線である、長崎空港、新大村駅、大村ICを結ぶ約5kmの「長崎空港連絡道路」については、道路整備の在り方について、県が主体となって研究が進められています。本市としても、課題の整理や整備手法を検討していきます。

県央と県北を結ぶ「東彼杵道路」については、昨年12月にルート案が了承されるなど、新規事業化に向けた手続きが進められています。引き続き、国や県と一体となって整備促進に努めていきます。

早期整備が必要である都市計画道路「古賀島沖田線北側」については、令和5年度からの新規事業化路線として事業に着手します。

また、(仮称)鬼橋坂口線については、新規路線での都市計画決定に向けて、引き続き、調査や設計を進めます。

長崎空港、新大村駅、大村ICの3拠点を結び、本市を中心として長崎県内外への移動を可能とする公共交通体系(2次交通)の構築を目指し、昨年9月から「おおむらかもめライナー」の実証運行を行っています。引き続き、運行を継続しながら、利用状況の分析等を進め、最適な2次交通の在り方について、検証を進めていきます。

また、地域住民や旅行者の移動ニーズに対応し、路線バスや乗合タクシーなど複数の公共交通を始めとする様々なサービスを最適に組み合わせてルートなどの検索や予約、決済等が一括で行える「大村版MaaS」を構築し、移動の際の利便性を向上させます。

水道事業については、老朽化した施設や管路の更新に取り組むとともに、坂口浄水場の耐震補強工事を進め、安全・安心な水の安定供給に努めます。

下水道事業については、大村湾の水質を良くするため、水処理施設の高度化を進めるとともに、事業効率化のために萱瀬下地区の農業集落排水を公共下水道に統合する工事を実施し、令和6年4月の供用開始を目指します。

また、生ごみを粉砕し、水とともに直接下水道へ流すことが可能な生ごみ処理機「ディスポーザー」については、本年4月から九州で初めて設置を認めることとし、市民の生活環境や利便性の向上を目指します。

本市の環境保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、「人と自然が共生しみんなが住み続けたいまちおおむら」を実現するため、「第三次大村市環境基本計画」に基づき、市民・事業所・行政が一体となった「オール大村」で、ごみの減量化・資源の循環の取組など、各種の環境施策を進めるとともに、ここに「ゼロカーボンシティ」を宣言し、2050年CO2実質排出ゼロを目指します。

ごみ処理施設の建替えについては、施設建設の仕様書作成及び土壌汚染状況調査に着手し、生活環境影響調査を実施します。また、釜川内の旧一般廃棄物最終処分場について、跡地の適切な活用の検討を進めていきます。

老朽化しているし尿処理施設については、大村浄水管理センター内に新たにし尿等受入施設を建設することとし、実施設計・建設工事に着手します。

自家用車等への依存度を下げ、環境負荷を低減させるとともに、市民の自転車利用の促進や健康増進等につなげるため、ゼロカーボンシティの実現に向けた取組の一環として、電動アシスト自転車の購入費用に対する補助を実施します。

企業版ふるさと納税を活用した「大村湾SDGsプロジェクト事業」については、引き続き大村湾に水質浄化セラミックを設置し、生物が生息しやすい環境の回復を促進し、持続可能な水産業の振興につなげます。また、ゼロカーボンシティの実現に向け、人工サンゴを海中に設置し、CO2を吸収・固定化する量などを検証します。

県の動物愛護の拠点施設であるアニマルポート長崎については、施設の拡大や更なる機能向上に向け、本市が誘致場所として提案した長崎県工業技術センターグラウンドを候補地として、再整備の検討が進められています。市民・県民が気軽に立ち寄り、ふれあうことができる施設が整備されるよう、引き続き取り組んでいきます。

6.持続可能な行財政運営と市民協働の推進

新庁舎建設については、建設地が森園ファミリースポーツ広場を含む市民プールに決定しました。令和5年度は、基本設計等に着手するとともに、あわせて新たなプールや森園公園の再整備についても検討を行います。

また、文化ホール、第2体育館及び武道館については、「新体育文化施設基礎調査事業」として現庁舎跡地の活用を含め、具体的な検討を進めていきます。

「誰もが、いつでも、どこでも」デジタルの恩恵を享受できる便利で快適な環境をつくるため、「大村未来都市構想」及び「大村市DX推進計画」に基づき、電子申請システムや窓口受付支援システム、デジタル地形図、公開型GIS、教育・保育施設のAI入所選考システムなどを導入するとともに、本市のマイナンバーカードの高い交付率を活かした地域の課題解決や魅力向上に資する取組を「デジタル田園都市国家構想交付金」などを活用し推進します。

また、昨年末に導入した文書管理・電子決裁システムを活用し、業務の効率化や迅速化、紙使用量の削減に努めるとともに、事務処理ミスの防止、職員の危機管理意識の向上及びコンプライアンスの徹底を図ります。

人口ビジョンで掲げる2025年人口10万人を目指すため、「第2期大村市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、移住に関する相談会の充実や情報発信、「おおむら暮らし体験」の提供など、ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた効果的な施策を展開し、移住・定住の促進及び交流・関係人口の創出・拡大を図ります。また、本市初の地域おこし協力隊員を採用し、「おおむらの魅力」を市内外に発信し、大村のファンを増やし、将来的な人口増加につなげます。

令和5年度内において、陸上自衛隊竹松駐屯地に水陸機動連隊が配備されます。連隊の配備により、本市の更なる発展に期待が膨らむ一方、竹松駐屯地周辺地域の道路環境の改善や、保育園や小中学校などへの円滑な受入れ、海や山を活用した防衛施設外での訓練環境の充実など、様々な対応が必要となります。竹松駐屯地への水陸機動連隊の配備が円滑に進むよう、引き続き、官民一体となって支援を行っていきます。

町内会は、行政にとって重要なパートナーです。行政と市民の皆さまとの連携を密にするために、大村市町内会長会連合会と協力・連携して、町内会加入率の向上や地域コミュニティの活性化につながる取組を推進するとともに、官公庁や企業等に対する町内会加入促進の協力依頼を継続して行います。

また、近年、建設費も高騰していることから、町内公民館の新築にかかる補助限度額を増額するとともに、新たに増改築の補助対象範囲を拡大します。

誰もが互いに人権を尊重し、多様性を認め合い、大切な人とともに自分らしく生きていけるよう、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の導入を進めます。

モーターボート競走事業については、昨年12月にSGレースの最高峰である「グランプリ(賞金王決定戦)」を開催し、目標の250億円を上回る259億7千万円を売り上げました。また、本年3月26日からはG1開設70周年競走の開催を控えており、令和4年度の売上も、3年連続日本一に向けて順調に推移しています。

令和5年度は、令和元年度から4年連続で開催したSGレースに続き、令和6年1月に全国発売としては5年連続となるプレミアムG1「ボートレースバトルチャンピオン(BBC)トーナメント」の開催が決定しています。また、ミッドナイトレースを令和4年度の2節間(12日)から4節間(28日)に拡大するとともに、新たな場外発売場の設置に取り組むなど、売上・収益を確保し、公共施設等の整備を計画的に進めます。

また、昨年11月に開設した「Gruunおおむら」を活用したアミューズメント体験や、eスポーツを始めとした各種イベントの開催などを通じて、関係人口の拡大などにつなげます。

財政運営については、新たな財源確保策として、企業からの寄附を促すことにより、地方への資金の流れを高め、地方創生を推進させることを目的とした地方創生応援税制、いわゆる「企業版ふるさと納税」を活用し、小中学校の楽器購入やスポーツ施設の整備改修など様々な取組を実施してきました。

令和5年度も引き続き、適正な歳出と安定した財源の確保に努めるとともに、財政運営の透明性を確保し、「大村市財政運営基本方針」に掲げる健全で持続可能な財政基盤の構築に取り組みます。

なお、令和5年度予算の規模については、

一般会計477億5千万円

特別会計国民健康保険事業会計など183億4千万円

企業会計モーターボート競走事業会計など1,787億7千万円

となっています。

これを前年度当初予算と比較すると、

一般会計14.3%の増

特別会計0.6%の減

企業会計3.3%の減

となります。

以上、令和5年度の施政に関する方針を申し述べました。

これまでの様々な事業に一層の創意工夫を凝らし、磨き上げ、実施することで、これまで以上に、本市が長崎県をけん引するトップランナーとして、本市の将来像「行きたい、働きたい、住み続けたいしあわせ実感都市大村」の実現を目指して、本市の発展にオール大村で取り組んでまいります。

今後とも、市議会並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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