ホーム > くらしの情報 > 市民協働・男女共同参画・人権啓発 > 人権啓発 > 多様な性のあり方を考える・LGBTQ⁺(性的マイノリティ)に関する理解を深めましょう
ここから本文です。
更新日:2022年11月14日
一般的に、人は生まれた時の身体的特徴などから男女を判別し、性別が決められます。
しかし、性のあり方は、もっと多様で複雑なものです。
性について理解するためには、次の4つの要素の組み合わせで考えます。
例えば、
「からだの性」と「こころの性」「表現する性」が女性で、「好きになる性」が男性
「からだの性」と「こころの性」「表現する性」が男性で、「好きになる性」が女性
のような、いわゆる典型的で多数とされている組み合わせの人たちと異なる人たちのことを、性的マイノリティと呼ぶことがあります。
これまでは、誰もが男女いずれかに分かれ、異性を愛することが「当たり前」のように認識されてきましたが、4つの性の要素の組み合わせに「決まり」はありません。この組み合わせは多様であり、これを「多様な性のあり方」と言います。
性的マイノリティを表す総称として、代表的な次の言葉の頭文字をとって組み合わせた「LGBTQ⁺」という言葉があります。
【L】Lesbian(レズビアン):女性の同性愛者(心の性が女性で恋愛対象も女性)
【G】Gay(ゲイ):男性の同性愛者(心の性が男性で恋愛対象も男性)
【B】Bisexual(バイセクシュアル):両性愛者(恋愛対象が女性にも男性にも向いている)
【T】Transgender(トランスジェンダー):こころとからだの性が一致しない、からだの性に違和感がある人
【Q】Questioning(クエスチョニング):性自認や性的指向が明確でない、もしくは意図的に認めない人
【X】Xgender(エックスジェンダー):性自認が中性または性別を決めたくない人
【A】Asexual(アセクシュアル):他人に恋愛感情を抱かない人
など、性的マイノリティの分類はさまざまです。
LGBTQ⁺のうち、LGBは「好きになる性(性的指向)」に、Tは「こころの性(性自認)」に、Qは「性自認・性的指向」のいずれにも関わるものです。「⁺(プラス)」は、LGBTQ以外にも多様な性があることを表しています。
民間の調査(電通ダイバーシティ・ラボ調査、平成30年10月実施)では、人口の8.9パーセント(約11人に1人)が性的マイノリティに該当するという結果が出ています。
「私の周りにはいない」と感じる人も多いと思いますが、「本当のことを言えば嫌われるのではないか」「学校や職場でいじめられるかもしれない」という不安や恐れから、自分のことを打ち明けられないまま、周囲に合わせて苦しい思いをしながら生活している人は少なくありません。
全ての人が「自分らしい」生き方を送る権利を持っています。
性的マイノリティであることを理由として、差別したり権利を侵害することは、決してあってはならないことです。
「SOGIE」とは、性の要素のうち、次の3つの頭文字を取った総称です。
【SO】SexualOrientation:性的指向
【GI】GenderIdentity:性自認
【E】Expression:性表現
LGBTQ⁺など特定の人を示すのではなく、すべての人の性のあり方(性の多様性)を表現した言葉です。
性のあり方はグラデーションで、性的マイノリティの人とそうでない人にはっきりとした境界はありません。
多様な性のあり方は、性的マイノリティ・マジョリティにかかわらず、すべての人にあてはまります。
「すべての人において、性のあり方は多様である」とお伝えしてきました。
では、私たちはこれから何をしたらいいのでしょう。
誰にでも今日からできることがあります。
性的マイノリティであることを公表している人が、周りにいる・いないにかかわらず、「いる」という前提での会話から始めてみましょう。
言い換えるべき表現や、誰にでも使える表現をご紹介します。
「性同一性障害」は診断名であり、限定的なので使用を避けます。
もとの表現を自称する性的マイノリティの人はいますが、多くの場合は不快に感じる表現です。
人は誰でも男女どちらかに分かれて異性を愛するものという「男女二分異性愛」を前提としない表現なので、誰にでも使うことができます。
アライ:ALLY(同盟、支援者)
アライとは、性的マイノリティのことを理解・支援し、行動しようとする人のことです。
多様な性のあり方を尊重するシンボルとして6色のレインボーが使われますが、それをモチーフにしたグッズを使用したり、身につけたりすることで、理解者や支援者であることを表すことができます。
アライの存在が見えるということは、心理的に安心感を与え、支援につながります。
例)「あの人ホモっぽいよね」の問いかけに、「自分はそうは思わないよ」「そういう言い方は良くないと思うよ」と答える。笑いやからかいの対象としない。
このような言動は、周囲の人の理解度を向上させ、行動を変える力になります。
関連する書籍を読んだり、講座や研修、イベントなどに参加することにより、正しい知識を身に着け、理解を深める。その存在や悩みに気づき、寄り添う。
もしも性的マイノリティであることを打ち明けられたら(カミングアウトされたら)
カミングアウトの理由や背景はさまざまですが、当事者は相手を信頼し、勇気を出して打ち明けています。
かけたい言葉:「大切なことを伝えてくれてありがとう」「何か私にできることあるかな」
誰に伝えているか、どこまで伝えていいかを教えてもらい、本人が承諾していない人に伝えてはいけません。
本人の承諾がないまま、第三者に暴露するアウティングは、プライバシーを侵害する行為であり、大変な精神的苦痛を与えることになります。
カミングアウトは相手にも精神的な負担を与えることがあります。
相手に何をどう伝えたいか整理しましょう。
情報をコントロールすることも大切です。アウティングの被害にあわないためにも、しっかりと自己防衛を。
大切な人が、自分の性(セクシュアリティ)で悩んでいるとき、またそのことを打ち明けてくれたとき、まずはそれを受け止めて、ゆっくりと話を聞いてください。それは「アライ」としての立派なアクションになります。
本来、セクシュアリティとは個人の人格の一部であり、他者から強制されたり奪われたりすることのない権利です。
性的マイノリティであるとかアライであるとかをあえて口にしなくても、社会が当たり前のこととして、すべての人の多様なセクシュアリティを尊重する未来をめざしていきましょう。
長崎県人権教育開発センター(長崎県人権・同和対策課内)では、LGBTなど(性的マイノリティ)の当事者や、家族、友人、教員、職場の同僚など周囲の人からの悩みや相談に応じています。お気軽にご相談ください。
毎月第3土曜日9時30分から13時まで
相談専用ダイヤル090-5939-5095
性的少数者に関する人権リーフレット(一般向け)・(公財)人権教育啓発推進センター作成(PDF:979KB)
性的少数者に関する人権リーフレット(こども向け)・(公財)人権教育啓発推進センター作成(PDF:1,265KB)
長崎県は、性の多様性に関する正しい知識や対応などについて、わかりやすく解説したハンドブックを作成しています。長崎県のホームページからダウンロードできます。
よくある質問
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
お問い合わせ