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更新日:2020年5月29日
家賃7万円の賃貸アパートに4年間住んで退去したところ、貸主から畳の表替えとクロスの修繕費を請求された。クロスは引越し作業で傷をつけたのでしかたないが、畳は日に焼けただけで汚したりしていない。支払わなければならないか。
また、入居時に家賃1か月分の敷金を支払ったが、返金されるか心配だ。
退去時の借主の原状回復義務には、誰が使用してもおきる畳の擦り減りなどの通常損耗や日焼けなどの経年劣化は含まれないとされていますが、いままでの民法の条文からは明らかではないため、2020年(令和2年)4月1日施行された改正民法で、法律の条文に明記されました。
事例の場合は、傷をつけたクロスについては経過年数を考慮した修繕費を負担することになりますが、畳については経年劣化や通常の使用で生じる損耗(通常損耗)に止まると思われます。
また、敷金は家賃の未払い分や原状回復費用などを差し引いて返還されます。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、借主に原状回復義務がある場合、修繕費の負担割合は、基本的に経過年数を考慮して算出する考え方を示しています。
これによれば、仮に借主が不注意などで汚れや傷をつけても、長く使われたものだと、借主の負担はその分減少することになります。ガイドラインには内装材や設備ごとの耐用年数を示しており、残存価値の参考になります。
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