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更新日:2020年4月30日

相談例から民法を考えましょう(ケース3について)

【事例】認知症の母が高額な契約をしていた:意思能力

1年前から認知症と診断されている母が、突然訪問してきた事業者から高額な羽毛布団を売りつけられた。セールスマンにどのように言われ契約することになったかなど契約時のことは覚えていない。また、契約書に書かれている商品内容、売買代金、代金の支払い方法などを理解していない。必要のない布団なので契約をなかったことにしたい。私が買ったの

アドバイス

意思無能力者の法律行為は無効となることは判例・学説で認められてきました。

例の場合、契約した時点で意思能力がなかったと判断されれば、その契約は無効となります。無効と判断された場合、商品の引渡しが完了していても原則としてそのままの状態で返せばよく、費用を負担する必要もありません。

  • 意思能力:契約などの行為の結果を判断するのに足りるだけの精神能力のことです。例えば、重度の認知症を患い契約するとどうなるか判断できない者は、意思能力を有しないことになります(意思無能力者)。

チェック

  • 2020年(令和2年)4月1日施行されることになった改正民法では、重度の認知症などにより意思能力がない者の法律行為は無効であると法律の条文上も明確にされました。また、意思能力がない者が相手に対して行う原状回復の範囲は、現に利益を受けている限度に止まると定められました。
  • ただし、契約の相手方の事業者が「意思能力がないとは外見ではわからなかった」と主張し、医師の診断書などを求められることも想定されます。意思能力が契約時点であったかどうかの判断を後からすることは大変に困難なこともあります。そのため、後述の成年後見制度を利用することが適切なケースもあります。
ポイント:成年後見制度
  • 法定後見制度:高齢者や障がい者を保護し支援する制度として、判断能力が不十分な人に代わって、契約をしたり、被害にあった契約を取り消したりする制度です。事前に家庭裁判所に後見人、保佐人、補助人の選任を申し立て、家庭裁判所から選任された者が後見人などとして支援することになります。
  • 任意後見制度:まだしっかりと自分で判断ができるうちに、自分の判断能力が衰えてきた時に備えて、あらかじめ後見人を誰にするか、財産管理や身の回りのことについてその人に何を支援してもらうか、自分で決めておくことができる制度です。成年後見制度

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